見栄を張っても入社すればすぐバレる!STOP「仮面採用」

求人を出したい企業から募集の条件や仕事内容を頂戴して、それをひとつの広告にまとめて出稿する。それが求人広告制作マン(求人ライター)の仕事です。一般に広告というサービスには、伝えたい内容をわかりやすく発信する“情報誌”としての側面と、もうひとつ、できるだけ多くの人の目に触れる(またはターゲットの目に触れる)“広告”としての面のふたつがあります。広告を語る上で、多くの場合は二つ目の“多くの人の目に触れる”という点をみなさん重視するのではないでしょうか。

広告の世界で飯を食ってる人間にとっては、広告というのは、実に胃を痛めながら、時に寝不足になりながら“反響の出る広告”を目指すわけです。経験を積めば積むほど、身体が軋んでいくような気になります。しかし、それとは対照的に、どうにもこうにも一般の(広告を普段制作しない)人からすると、広告というのは常に“ワクワク感”や“やってみたい感”の方が大きいようです。

日々いろいろな広告をオーダーされますが、広告に細かく独自の理論を展開する社長様や人事担当者は結構多いです。必勝法があるような言い草や、単に自分色で作ってみたい!など、まぁ、それぞれではありますが、共通するのは“なんだか楽しんでるなこの人”というオーラなわけです。
それはそれでいいのですが、こと求人広告の世界でいえば“広告”のあり方ひとつで、採用の負の連鎖を招きかねない大きな落とし穴があります。今回お話しすることは、誰にも起こりうる話ですので、もし現在、採用中の人事担当者の方で、当てはまるなと思った方は注意されることをお勧めします。

見栄張ってますよね?広告に

プロの広告制作の現場では“ペルソナ(採用ターゲット)”を重視した広告を作ることが基本中の基本です。ターゲットがズレればそれだけで、多額の広告費が無駄になります。しかし、求人広告の世界では、なぜか経営者や人事担当者が“作りたがる傾向”にあります。そうなると、どんな広告ができるか。またはできやすいか。

出来る限り会社を良く見せようと見栄をはり、時には虚偽の内容を盛り込んで、どの会社よりも良い会社に見える広告を作りはじめる。

これが最近問題になっている、ブラック企業を生みやすくする温床です。それはそうです。実際の現場(会社)のイメージとかけ離れれば離れるほど、採用者からは不信や不満しか残りません。

酷い広告となると“定着率バツグン”なんて書いた広告を年中掲載しています。これおかしいですよね。定着率良いなら、なんで毎週求人広告掲載してるの?って話です。

一方、求職者も負けてはいません。彼らも出来る限り良い印象を与えようと、これまでの職歴の有能さや、持ち合わせた勤勉さや優秀さを履歴書に盛り込みます。チームでリーダーとしてまとめ上げた功績や生徒会を率先した盛り上げた…とか。もう日本中の履歴書には“リーダーとして…”の実績が書かれいるくらいです。うちの会社はリーダーばっかり応募来るなぁと思いません?

10日の短期留学だって、立派な国際的見聞を広めるための、堂々たる光り輝く経歴です。10日くらいならただの旅行だろ!といいたい所ですが、どうも面接で上手いことスピーチされると、なかなか賢そうだなと思ってしまうわけです。

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仮面採用から生まれる負の連鎖

企業(雇用側)も求職者も、お互いに仮面をかぶっているならば、おそらく採用は上手くいくかもしれません。それはそうです。どちらも魅力的なわけですから。しかし、それではたして成功と言えるでしょうか。

会社にとって本当に必要な人材なのか

働く側にとって本当に必要な会社なのか

おそらくこれは、採用の負の連鎖を生みます。そもそも本音も何もない採用ではスグにお互いがバレますし、長続きしません。結局最後は「最初の条件と違う」のなんだの言っては、けんか別れに終わります。そうなると、経営者は「あんな奴は二度と採用しない」と言って、より採用の難易度を上げ始めます。

愛社精神は必須だ!

うちの給与に何が不満だ!

とか言い始めて、安い給料でもニコニコ働ける人材を探すぞ!みたいな話になってきます。もうそうなっては泥沼です。入社する前から愛社精神がなんだら…とか、それこそ無理があるのに、採用での失敗の傷は、求職者に対する不信や不満に変わってしまうのです。

どうせ入社したらわかるんです

企業が理想の人材を求めることは悪ではありません。企業が最高のチームを作り、成長することは何も間違いではありません。しかし、働く側だって同じように思っています。理想の職場で働きたい。最高のチームで自分を成長させたいと。

でも、互いに見栄を張っていては、いつまでも最高の舞台は作れません。人を募集するということは、現状が完ぺきではないからと、いえませんか?だからこそ、新しい戦力が入ることで、より理想のチームに近づいて行くのです。だからこそ、企業はその部分を隠すことはないのです。むしろ、足りない部分はココだ!と伝えることで「そこなら私得意です!」という応募者が来る!そうシンプルに考えませんか?

採用難の時代といわれて久しい日本ですが、こんな時代だからこそ、等身大の嘘のない企業というのは、確実に求められていると思います。

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