ブラック企業が生まれる場所とは

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採用の仕事を通じて、様々な業種や職種の方々とお会いし、多くの企業を取材させていただいてきましたが、世に言うブラック企業の現場というモノにも、それなりに出会ってきました。採用を成功させることで、企業が良い方向に進み、ブラックが緩和されることもあれば、誰かを採用したと同時に、また誰かが辞めていき、負の連鎖が終わりなく続く企業もありました。

時代が悪いのか、社長が悪いのか、ここでひと言で語るのは難しい。ただ、確かにブラック企業(定義づけをどうするかは難しいところですが)は日本に存在しています。1日3時間睡眠で、家にも帰れずにデスクの椅子を3つ並べて仮眠をする毎日。やがて心も体も壊し、しばらくは働くこともままならない。これは私の場合の話ですが、私自身も苦しめられていた時期がありました。多くのニュースでも取り上げられていますが、過労で亡くなってしまう方も少なくありません。非常に重要な社会の問題として、ブラック企業をなくしていく為の取り組みを様々な場所で行っています。

私自身、自分や周りの同僚たちが抱えてきた辛く厳しいブラックな体験が、まぁいろいろあるわけですが、今日は少し視点を変えたお話を軽めにしたいと思います。

 

安易にブラック化してしまう企業が増えている。

先日のニュースですが、ハローワークに掲載している求人票の記載内容と、実際の採用条件が違う。そんな企業が数千件に上ったと、一部メディアでの報道がありました。簡単に言ってしまえば虚偽広告を打っていたという話です。実際よりも良い条件で求職者を釣り、騙して採用する。この問題、正直に言わせてください。企業が安易にブラックする責任は、求人業界にあります。

採用が難しい。だから少しでも面接率や採用率を上げるために、求人票に細工をし始める。それをなぜ、求人業界が止められないのか。騙したところで、結局は定着はしません。短期間で辞めてしまいます。辞める人材が増えることは、会社にとって負の副産物が多く出てきます。さらには企業自体のブランドも損なわれます。もちろん、採用は継続していきますから、いつまで経っても採用に掛かる時間的、金銭的コストは減りません。

良いことなんて一つもないんです。それを止められない。そうしているうちに企業はさらなる経営の弱体化を採用問題から招き、ブラック化が加速するのです。

 

一応、ここで一つ言っておきたいのですが、大手の求人メディアは「掲載ガイドライン」を各メーカー毎に作り遵守しています。これは何よりも「正しい広告を掲載すること」がブランド強化の為に必要になるからです。つまり、信頼の置ける求人メディアであることで、質の高い求職者が多く集まり、企業にとってもプラス材料となり、多くの支持を集める求人メディアに成長することで、売上も上がる。双方がwin-winの関係性を維持できるというわけです。

ただ、この図式がハローワークから崩れていきました。これから、どんどん他のメディアでも崩れていくのではないか、という不安感が生まれています。それはなぜか。

 

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求人メディアが急速に増えている現状

最近、やたらと求人メディアの広告ってみませんか?聞いたこともない求人メディアがどんどん増えています。その全てが「掲載ガイドライン」を独自に制定し、正しい求人広告を掲載していくでしょうか。また最近では、ブログのように企業の人事担当者が、広告内容をタイピングして、リアルタイムで掲載出来てしまうメディアも増えました。つまり、企業が枠を買って、人事担当者が内容を打ち込んで、そのまま掲載してしまうのです。そうなると、広告の品質とは一体どこへいってしまうのでしょうか。

もちろん、採用に関わる全ての人が正直に真っ当に採用活動をすれば、何も問題はありません。しかし、現実的に応募者の反響は乏しいとなれば、他社を出し抜いて、少し魅惑的なワードを入れて“盛り広告”を打ってしまうかもしれません。

本当は書かねばならない大切な部分を、とりあえずボヤかして、掲載してしまうかもしれません。

その繰り返しが、やがて“反響”“応募率”“採用率”ではなく、定着率の悪化を招き、結局のところ採用の失敗の連鎖を生むのは、明白です。

 

正しい広告を作ることが、もっとも有効

さて、結局のところ、ブラック企業を産んでしまう一つの要素として、正しい(嘘のない)求人広告を作らなかったばかりに、後々の大惨事を招いていくことについて、しっかりと認識するべきでしょう。採用のアンマッチこそが、ブラック化の第一歩です。その為にも、正しい採用手法や正しい広告の作り方。他の記事でもご紹介していく、ターゲット設定やコンセプトワークについて、人事担当者が学ぶ機会を得ることが重要となってきます。

当ブログサイトでは、実践的な要素に特化したテーマで記事を書いています。企業が嘘のない広告を作り、発信していくこと。等身大の魅力を発信していくことは「正義」でもなんでもなく、単純に採用成功に一番近い道なのです。それに気づいた企業の方々は、もうすでに始めています。そして企業の未来を担う優秀な人材を多く獲得しています。

まさか自分の会社が、外ではブラック企業と呼ばれていた!そんなことになる前に、今一度、自社の求人広告を見直してみてはいかがでしょうか。

 

 

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