「響け!求人広告ライターの本音」は求人広告ライター「関根コウ」が個人で運営する採用支援WEBマガジンです。求人広告&採用ホームページ作りの虎の巻を公開中!

Googleから学ぶ中小企業に必要な採用成功を切り開く「採用基準」

今すぐシェア

週の初め、月曜の朝礼……各部署の連絡事項が終わり、いつものように社長のありがたいひと言が始まる。

「え~、私が思うに、会社というものは……」

あ〜ウチの社長、またどこかのビジネス本に影響されてる……。

あれ、この話って、今売れてるあのビジネス本に書いてあった話かぁ。

先週読んだ、どこかの誰かのビジネス本に書いてあった言葉を引用しながら、思いつきの経営哲学モドキを語り始める社長。おそらくは来週には忘れているであろう、新しいビジネスロジックを持ち出して、思いつきで会社の新たな指針にしてしまう。そして最後には「有言実行!」などと言いながら、熱弁していく社長。

でも有言を実行するのは本人ではなく、あくまでその場の社員たち。

社員たちは黙ってそれを聞き流しながら、月曜の朝礼を無難に終えようと右から左へ流していく。

そんなどこにでもありそうな中小企業の朝礼風景。みなさんの会社はどうですか?

社長!気付いてますよ!社員はみんな知っています。先週、アナタがどんな本を読んだのか。その本のタイトルについて、知っているんです。なぜなら、机の上に置きっ放しになっているから!おそらくは社長しか読まない、心くすぐるタイトルを横目で認識しながら、いつも社員たちは残念な気持ちになっているのです。

・社員の給与は1円も上げるな~とか

・コストゼロで社員を~とか

・言うことを聞かないならスグにクビにしろ~とか

※テキトーに書いたタイトルなので、もし同名タイトルが存在していたらごめんなさい。

まぁ、つまり、世の中の社長の心を掴むような(気持ちよくなりそうな)タイトルのビジネス書ばかりが、書店には溢れているという話です。最近は出版不況ですから無理もありません。

社長は思わず手に取ってしまうんです。そして影響されちゃうんですよ。自分の心の内を肯定してくれる内容だけを抜粋して、月曜の朝礼でドヤ顔で語ってしまうくらい鈍いんです社長って。

社員たちからしたら、なんじゃそりゃ!と思うタイトルばかり。実際、私も経験があります。年に一度の決算月前、つまりボーナス査定の月におもむろに社長のデスクで見かけた「社員のボーナスは絶対上げるな!」的なそんなタイトルの本。

笑っちゃうような呆れちゃうような、もうこの社長についていくのは無理だなと思った瞬間でした。

さて、そんな社長たちからすれば、今日の話はあまり読みたくない内容かもしれません。世界で一番働きたい会社と言われるGoogleの採用に対する考え方について、ちょっと話そうと思います。毎年200万人が応募する世界一働きたい会社「Googleの採用論」とはいったいどんなものなのでしょうか。

スポンサーリンク




Googleが語る「誰と働くか」という採用基準

採用に携わる皆さんであれば、Googleの面接試験での「ちょっと変わった質問」をひとつくらいは聞いたことがあると思います。どの質問も、それまでの日本の採用シーンでは衝撃でした。

例えば

スクールバスにゴルフボールは何個入るか?

シアトルのすべての窓ガラスを洗浄するとして、あなたはいくら請求しますか?

全世界でピアノの調律師は何人いますか?

「御社を志望した理由を簡潔に述べよ」なんて質問を100万回してきた日本社会からすれば衝撃な質問でした。やっぱ外国すげー!グーグルすげー!なんてモロに影響を受けちゃって、業種も仕事内容もぜんぜん違うのに、同じ質問を自社採用でもやってしまうのが、日本の中小企業。実際に今でも、同様の質問をその意味もわからずに行ってしまう中小企業が多くあります。

先にネタばらしをしてしまうと、これらの多くの質問は「フェルミ推定」と呼ばれる考え方のロジックのひとつです。正解の定まらない問題について、どういう道筋で答えを導こうとしたかを面接官は判断するのです。

だから、一休さんのようなトンチの利いた回答を求めているわけではありません。

「スクールバスは学校に行くバスなので、ゴルフボールは一つもありません」とか、ドヤ顔で回答してもダメです。トンチの効いた答えを披露して、思わず「上手い!」と面接官を唸らせても、おそらくはグーグルの意図とは程遠い所にあると思います。

でも、もしかしたら日本ではそんな人が受かってしまっているのかもしれません(汗)

Googleの採用を理解するためには、彼らが真剣に、大真面目に採用を考えていることを認識すべきです。採用する側である人間よりも、もっと優秀で素晴らしい人材を獲得することに、大真面目に向き合っている会社なのです。

Googleの採用に対する考え方に惹かれてしまうのは、それが単に不思議で面白い面接試験だからではありません。社会の中で企業が成すべきミッションとは何か。優秀な人材を獲得するとは何か。会社は誰のものか。そんな経営哲学的な話も含めて、企業が社会の中で必要とされる存在として成長を遂げていくために「どんなチームを作るべきか」と大真面目に向き合っているからなのです。

Googleの採用とは、優秀な人材を獲得するにはどうするか?では終わりません。優秀な人材たちが、きちんと「チームとしてミッションを達成できるか」を重視しています。Googleの目指すべき未来を一緒に作る、新たな仲間を探す旅なのです。

つまり

Googleが採用にもっとも重視する点、それは「誰と働くか」です。

「どんな人が働くか」ではなく「誰と働くか」

Googleは何よりもチームを意識した採用を重視しています。日本の中小企業の社長さんと話をしていると、たまに「古い体質の現場を壊すくらいの新しい人材」なんて言い方をする人がいます。まぁ、わからなくもありませんが、安易に古い体質なんて言葉で、今いるスタッフを軽んじてはいけません。Googleはこれまで採用してきた多くの社員たちが、世界でもトップクラスの優秀な人材あることを知っています。そして、これから採用する人材たちも優秀であることも知っています。だからこそ、次の優秀な人材たちに求めるのは、優秀であることではなく、チームとして活躍してくれることなのです。

古い体質を壊すことはいいとしても、同時にチームとして長年培ってきた文化を壊してしまっていいのか。Googleのように、既存のスタッフのことを「我が社の誇り」だと言えること。

日本の中小企業のみなさんはいかがですか?今いる人材を「誇り」だと、ちゃんと言えますか?Googleが何よりも重視する「チーム」について、今一度考えてみてはいかがでしょうか。

中小企業が導入すべきグーグルのエアポートテスト

エアポートテストとは、Googleが新しい人材を採用する際に、候補者が採用基準に合致するかどうかを確認するテストです。

採用面接の最終段階で、候補者がGoogleの社員としてふさわしいかどうかを、面接担当者が自問自答するテストです。つまり、候補者(応募者)に課すテストではありません。

面接担当者が自問自答するのは、候補者がGoogleの文化にフィットするかどうか。それを空港で一晩一緒に過ごせるかどうかの例え話で考えます。

想像してみてください。

面接担当者は空港で飛行機が飛ばず、周辺のホテルも満席の状態です。この状況下で、候補者と一緒に一晩空港のロビーに閉じ込められます。明日の朝まで、一緒にいられそうな相手かどうか。一夜をともに過ごしても飽きることなく楽しく過ごすことができる相手か。プロジェクトについて熱く語れる相手かどうか。

そんなことを自問自答していきます。そして、明日の朝まで一緒にいられる相手だと思えば、その人を雇うのです。

これがGoogleのエアポートテストです。

価値観に合致する人材をどう導くか

エアポートテストは、応募者(または最終候補者)が、会社の価値観に合致する人材かどうかを判断するテストです。これは日本の中小企業でも参考にすべき点がたくさんあります。

いくら優秀な人材であっても、入社後に意見の食い違いや、意思疎通に時間がかかるようでは、うまくゆくものもいきません。ただ、日本の経営者の方には、もう少し考えてもらいたい点があります。

それは社長の価値観と合うかどうか、ではなく、現場の社員と合うかどうかです。誤解のないように慎重に話を進めていきますが、会社の目指すべき未来のビジョンや会社の価値観は、経営者である社長が発信していくべきでしょう。その点でいえば、社長と価値観が合うことは重要ですし、無視できません。ただ、それが=「俺の価値観に合う人間かどうか」と直線的に考えるのは危険です。

Googleが目指しているのは、価値観を共有し、そして最高のチームをつくることです。社長だけではなく、現場の社員たちとも価値観を共通でき、チームとして最高のパフォーマンスを発揮できる人材の発掘です。アイツは好きだが、コイツは嫌いだ、なんて軸では決して考えては欲しくないのです。

社長と意見が合うかどうか、そんな次元で語ってしまっては、エアポートテストを実施しても不発に終わるでしょう。日頃から、会社のビジョンや目指すべき価値観について、まずは社内でじっくりと深い議論ができていることが大切なのです。

Googleが徹底している9つの「採用のおきて」

素晴らしい人材が集まる会社には、素晴らしい人材が集まってくる。

これは本当にそう思います。

人材は人財だと、100人の経営者がいたら100人が語る話ですが、本当に人財と考えている経営者はどれほどいるでしょうか。面白い成長をしている会社には、自然と面白い人材が集まってくる。これもまた同意語ではありますが、私は常々、採用を通じて、いろんな会社と関わるなかで、本当そう思います。伸びている会社には、伸びる人材が集まってくるのです。

私はこの仕事を通じて、そんな会社を増やしていきたいと思っています。

最後にGoogleが大切にしている「採用のおきて」を引用したいと思います。日本の中小企業でも、参考になる採用の考え方が詰まっていると思います。

<1>自分より優秀で博識な人材を採用せよ。学ぶもののない、あるいは手強いと感じない人物は採用してはならない。

<2>プロダクトと企業文化に付加価値をもたらしそうな人物を採用せよ。両方に貢献が見込めない人材は採用してはならない。

<3>成功を成し遂げる人物を採用せよ。問題について考えるだけの人物は採用してはならない。

<4>熱意があり、自発的で、情熱的な人物を採用せよ。仕事がほしいだけの人物は採用してはならない。

<5>周囲に刺激を与え、協力できる人物を採用せよ。ひとりで仕事をしたがる人物は採用してはならない。

<6>チームや会社とともに成長しそうな人物を採用せよ。スキルセットや興味の幅が狭い人物は採用してはならない。

<7>多才でユニークな興味や才能を持っている人物を採用せよ。仕事しか能がない人物は採用してはならない。

<8>倫理観があり、率直に意思を伝える人物を採用せよ。駆け引きをしたり、他人を操ろうとする人物を採用してはならない。

<9>最高の候補者を見つけた場合のみ採用せよ。一切の妥協は許されない。

引用:『How Google Works 私たちの働き方とマネジメント』「採用のおきて」P.186

「採用」はリスクがある。お金もかかるし、時間もかかる。それでも、はっきりと言えることは、採用は価値のある投資だということです。だからこそ、Googleは「○○月までに○○名採用」といったことはいいません。大切な投資だからこそ、じっくりと採用に向き合い、厳選した採用を行っています。

まぁ、逆にいえば、不採用だなと思う人材の面接時間は10分も取らない場合もあるそうです。その点はさすが海の向こうのお国柄だなと思います。

それでは、今日はこの辺で。

Digiprove sealCopyright secured by Digiprove © 2017