中高年の就職最前線。これからの「働き方」を生みだすパイオニアとなれ!

サイトのバナーにもリンクを貼っていますが、別サイトで「就職・転職相談」を最近始めました。個人相談なので個別の内容には触れませんが、ある相談のなかで中高年層の就職相談を受けました。実は最近、別の場所で同じように中高年層の採用にはどんなメリット・デメリットがあるのかについて議論することがあって、どうにもこうにも自分の中で気になってしまった。それは企業側も求職者である中高年層も、なんだかどちらもうまくいっていない。ボタンの掛け違いのような虚無感に襲われ、いろいろ考えるようになりました。

何だか「若くない」というフレーズに双方縛られてしまっているように感じたのです。だって、例えばですよ、何十年もキャリアを積み重ねたベテランの経験者採用が上手くいってない企業ってたくさんあるんですよ。

「経験者限定採用」って話になると、ガクッと応募数が落ちて採用費も膨大になっていく。一方で「中高年の採用」となると、何だかわらわら応募が殺到するなんて思われている。

企業は中高年層の人材としての価値を見出していないし、おそらくは中高年の求職者も自分の価値をうまく伝えきれていないのではないか。それを何とか解決していけないものかと、思うのです。

40歳で雇い止めだ!と言ってしまった社長の本音

先日、とある採用会議に参加するなかで、年齢について白熱した議論となりました。今回の採用の目的は、あるプロジェクトを成功させる為に「技術力のあるエンジニア」の採用です。考えられた当初の課題は、スキルの高いエンジニアとなると支払う給与も高額になってしまう、という点でした。

ただ、一度やってみようという話なり、会社の提示する(ベテランエンジニア層には少し低い)賃金で、求人広告を掲載していました。その結果、なんと会社の望む技術を持ったエンジニアの応募が数件あったのです。

プロジェクトのメンバーたちは一同に安堵し、面接の日程を調整しようとしていた矢先が、冒頭の採用会議です。社長のひと言からはじまりました。

 

「年齢が高すぎる。30代後半なんて雇えるか。3~4年もすれば雇い止めだ」

 

その言葉でメンバー一同は唖然。なぜなら、そのプロジェクトメンバーの大半が30歳半ばの中堅層だったのです。自分と同年齢で、しかも自分たちよりも高い技術力を持ったベテランを社長は雇いたくない。その言葉の衝撃がのちの白熱した議論となったわけです。

社長の本音はどこにあるのか。

経営者は目の前のプロジェクトの成功は見つつも、数年先の経営についても常に思い描いています。経験もあり技術も確かなベテランエンジニアを雇うことは、プロジェクトの成功に大きく前進します。しかし、プロジェクトの成功後、つまり数年後のことを考えると会社としては若いエンジニアを雇うことが良いのではないか。経営的な若返りをどうするか。継続的な運営の為に若手の育成はどうするか。そんなことを考えるわけです。

しかし、現場としては混乱します。冒頭の採用会議では、もう議論の中心が大きくズレてしまっていました。

「自分たちは、いったいいつまでこの会社で働けるのか」

その不安感にメンバーたちは絶望すら覚えてしまったわけです。さて、この採用会議の事の顛末はどうなったでしょう。ご想像にお任せします。実は後日談もたいして面白くはありません。もっと有意義な話をしましょう。後日談のヒントは後半の文章で見え隠れします。

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能力や技術をもっとアピールして欲しい

実は企業も必死なんです。少子高齢化で後継者育成や若手の採用に苦労している反面、即戦力として「経験者採用」「能力者採用」にも非常に苦労しています。現場としても即戦力が欲しい。でも、社長はあまり乗り気じゃない。目の前に条件を満たした求職者がいるのに、なぜか採用まで至らない。そうなっていくと「採用基準」がどうにもこうにもよくわからなくなっていきます。

現場と社長の採用基準の違い。まずはそこを解消するのが得策です。

社長の本音は簡単です。「若くて高い技術力を持つエンジニア」なんです。その理想を追い求める過程で、それが難しいのであれば「若い人材」を優先しているのです。一方で現場は「高い技術力」を優先している。その双方の採用優先基準の違いが、今回の議論です。

社長の本音は会社の将来を考えた上での発言です。もっと具体的に紐解くと直接雇用することへの抵抗感です。プロジェクトを成功させる為だけの短期雇用や外部委託であれば、その悩みを切り離して考えることもできます。

実は今、働き方の多様化の中で、プロジェクト毎の短期雇用や必要に応じて外部委託を使う企業も多くなりました。エンジニアやクリエイティブ職の方であれば、ランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングを聞いたことがあるかと思います。

そのような大手サイトを使う場合もありますが、企業の中に外注部門などを設置し、必要に応じて事業を外注化している事例も見受けられます。つまり、新しい働き方の創造です。

非正規雇用が増える要因じゃないか!という人もいますが、新しい働き方を受け入れていく。それも働く上では重要なことだと思います。自分らしい働き方を生み出し、企業とうまく付き合っていく。それができるのは、僕はまずは能力のある人材だと思っています。つまり、長年の経験や高い技術力を持った中高年の方々だと思うのです。

年齢は関係ない。自分の強みを追求する。

たしかに、20代の若い人材が欲しいと望む企業相手では、中高年は選考対象外となってしまうでしょう。しかし、裏を返せば若い20代だって同じ悩みを抱えています。即戦力でもない、長年の経験もない、技術もこれから。

そう思えばこそ、隣の家からはうちの芝生がきっと青く見えるはずなんです。「こんな歳だから…」「もう、若くなくて…」そんな後ろ向きなアピールされても企業も困ります。企業とは年齢に関係なく、意欲的で前向きな人材を欲しているものです。

 

「この歳まで積み重ねた経験を活かしたい」
「若い人にない熟練度がある」
「高い経験則がある」など

 

定年が60歳だったのが65歳へ。そして今や生涯現役なんて言葉も聞かれます。40歳や50歳となれば、まだまだ折り返し地点。能力や技術力よりも20代が欲しい。そんな社長の価値観を崩していく。それも、これからの働き方には重要なポイントとなると思っています。今だからこその魅力を全力でアピールして、新しい時代のパイオニアになっていきませんか。

「こんな私でもよければ雇ってください…」では一生雇われません。

「この技術や経験を持った人材は私くらいです」そう言えることで、一気に注目される人材となるのです。

実は私も40歳手前の求人ライターでございます。新しい時代の働き方を作る!そんなパイオニアのひとりとなれれば嬉しく思います。

 

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