この人材業界、僕よりも数倍アタマが良いであろう学歴も優秀であろう方々が、あーだのこーだのと採用の理論を様々なサイトで掲載しているわけですが、そこでいうと僕のような、とりわけ賢くもなくアタマの回転も遅めの求人ライターが、いったい何を書けるのか。そんなことを悩んでいたから不定期更新になっていた……わけではありません。
真面目な話、ちょっと書き方に悩んでおりまして、もっとわかりやすくシンプルにひと言で、パッパっと記事を書いていった方が良いのではないかと、悩んでいたところです。どーも僕の文章はグダグダ書いてしまう。若かりし頃に椎名誠先生の書籍にハマったからなのかと(椎名先生すみません…)思ったり思わなかったり。
さて、本日は採用の現場で長年思っていた、ある禁断のパンドラの箱を開けたいと思います。究極の採用解決メソッドと言っても過言ではありません(ホントかよ…)
とりあえず想いのままに書いてみます(なんでだよっ…)
本当の退職理由が語られない。語られても揉み消される。
社会人はだいたい大人です。大人はいつだってスマートです。だから、本当の退職理由を語って、グダグダに喧嘩別れするような退職はしません。飛ぶ鳥跡を濁さずの精神が美徳とされています。でも実はホントのところを言うと、退職時に揉めて、手続きに不備があると次の転職先で困るので、もめたくないのです。できるだけスマートに退職まで進みたいのです。
あともうひとつ理由があります。もう辞めると決めたからには、もう未練はありません。もう興味がないのです。あれだけ必死に頑張ったあの日、仕事を覚えようと必死にメモして整理したオリジナルの大学ノートも、もう捨てるのです。だから、退職理由なんて語る必要もないんです。愛想が尽きたのです。
多くの場合、ほとんど嘘に近い退職理由で会社を去っていきます。これはデータでも何でもなく、私がただ見てきた人々の姿です。仕事柄、人よりちょっと多くの退職者を見てきたかもしれません。半分は真実でありながらも、どこか嘘の退職理由。会社にとっては「まぁ~それなら仕方ないね」なんて思ってしまう理由を語り人は辞めていきます。
本当に辞める理由は現場の仲間なら誰もが知っている。でも上長や経営者は知らない。いえ、正確にはなんとなくわかっている。気づいている。でもそれは「経営」という大きな己の哲学からすれば「気にしていられない」理由なのかもしれません。
さて、採用担当者の皆様、本当の退職理由を知らずに、今後も採用を続けていっていいのですか?定期的に人が辞めていくことに慣れてしまっていませんか?人が辞めていく会社って、やっぱり寂しくないですか?
見えない退職理由。日々のコミュニケーションが重要。
退職を決意してしまい、すでに転職活動も始めている(もしくは転職先が決まっている)状況にまで来ると、やはり退職理由を聞き出すことは、なかなか難しいものがあります。社会人は皆さん大人です。それにあまりしつこく聞き出していくと、やがて感情的になり、それこそ後味の悪い終わりも迎えかねません。重いテンションで本当の退職理由を知っても「俺は充分に社員には還元している!文句を言われる筋合いはない」なんてモードになってしまいます。
退職しようかな~くらい。もっともっと前の「会社のここがなんとなればな~」くらいのタイミングで社員とコミュニケーションを持てれば、会社は良い方向に変わるチャンスを得るかもしれません。
日々のコミュニケーション。様々なビジネス本に書かれている言葉ですが、経営者や上長が社員一人ひとりと向き合う時間を取れていない企業も多くあります。飲みニケーションなんて言葉が死語になりつつありますが、会食の席でなくとも、日々の業務の中で、個別に交流を持つことを意識してみてはいかがでしょうか。
私の心理学のにわか知識によれば、どんなに嫌いな相手でも、会話を重ねる機会(本音を語り合う機会)が増えることで、嫌いや敵意が緩和するそうです。人は価値観がそれぞれ違います。だから、それほど深くまで理解し合えなくても仕方ありません。
ただ、ビジネスパートナーとして、ひとつのプロジェクトをともに歩む仲間として「日々何を考え、何を思うのか」を意識して交流していくことで、仕事観の共有ができ、退職しない道へとも繋がっていくと思います。
「あいつはウチには向かないヤツだった」「もともとダメなやつだった」なんて言ってる場合じゃありませんよ。「もっと長く続けて欲しかったけど…そういう理由なら仕方ない」←こんな退職理由の方が、よっぽど深い理由が隠されている!かもしれません。
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