まさかのセクハラ面接が採用失敗の原因!?人権を知らない面接官が会社を潰す。

先日、とある会社の採用担当者から相談を受けました。社名はふせますが、その、とある会社で起こった採用失敗の悲劇が、なんとも残念な話なんです。だって、その会社……、実は(採用のプロがいるはずの)求人広告の会社なんですよ。

採用のプロ集団を自称し「採用のことなら何でもお任せください」とホームページで豪語する求人広告会社。でも、最近は自社採用で失敗続き。あぁ、なんてことでしょうか。

自社採用で失敗続き、もうプライドも何もあったものではありません。社をあげて、本格的な採用の見直しを探り始めました。すると、とんでもない原因がわかってきたのです。

社員一同興ざめの、まさかの展開が待っていました。

実は……、最終面接での幹部の質問にあったのです。

採用のプロたちも「まさかウチの会社が?」と耳を疑ったそうです。

さて今日は、もしかしたらアナタの会社でも起こりうるかもしれない、セクハラ面接の実態と悲劇について、お話したいと思います。

なぜ、中年幹部はセクハラ面接を繰り返したのか

「彼氏はいるのか」

「生理は大丈夫か」

「同棲しているのか」

 

これらの質問は、先ほどお伝えしたとある会社で悲劇をもたらした質問だそうです。書いていくのがなんだか辛くなってきましたが、頑張って進めます。

まず、これらはすべて違法な質問です。厚生労働省の東京労働局が啓発する「事業主啓発用ガイドブック」にも書いてありますが、採用の選考は応募者の基本的人権を尊重した、公正な採用選考を実施することが重要です。あくまで適性や能力のみを基準に公正な選考が求められます。

プライベートな、それも生理の話なんて…信じられない。

例え、その面接官が公正な選考とは何なのかについて、全く無知な愚か者だったとしても「彼氏はいるのか」「生理は……」「同棲は……」なんて質問をホイホイしてしまうなんて、意識の低さが残念でなりません。

書類選考、一次面接とスムーズに選考が進み、応募者も意欲的であったにも関わらず、この最終面接での質問が引き金となり、選考辞退、内定辞退が続いたそうです。

なぜ、そんな質問をしてしまったのか。

誰もが眉をひそめる女性嫌いの面接官だったのか。それとも本人なりに意図があったのか。意図があるから許されるわけではありませんが、これからお話しする幹部なりの質問の意図は、個人的にはどこの会社でも起こりうる話だと感じました。だからこそ、今日はセクハラ面接の実態について正面から切り込んでみたいと思います。

幹部に質問の意図をぶつけると、大真面目に「業務上必要な質問だった」と答えたそうです。

生理で急に休まれたら困るだろう!
せっかく育ててもスグに結婚で辞められたら困るだろう!
もし同棲しているなら、それこそすぐ結婚してしまうかもしれない!

この話の最後には「なぜこんな大事な質問を先延ばしにした」と、逆に幹部に詰め寄られたそうです。

この幹部の質問の意図、皆さんはどう思いますか?

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セクハラ質問があった会社は「お断りする」

セクハラや差別的な内容を含む質問は、結果的に双方が不幸になるだけで、誰も得をしません。むしろ、企業にとっては大きなリスクを背負うことになるでしょう。労働者の人権の話が一番大切なのはもちろんですが、企業の損得の部分でも大きくリスクがあることを、ぜひしていただきたいと思います。

近年は会社の評判や面接の様子を書きこめるサイトもあります。ツイッターなどのSNSでも気軽に配信されます。ブラック面接やセクハラ面接といったワードでネット検索をかければ、いろいろな求職者の生の声が聞こえてきます。

皆さんはこれらネット宣伝の相場観をご存知ですか。何をするかによって金額は大きく変わりますが、ざっくり例えば、1万人の目に留まる広告を宣伝してその中で「いいね」ボタン的なリアクションをもらう為の広告宣伝費は、安くても万単位の投資が必要です。

逆に口コミ、特に悪い噂の口コミはその数十倍、数百倍の拡散力があります。その悪い噂を打ち消す程の良い噂の宣伝にどれほどの金銭的な投資が必要だと思いますか?

たったひとりの認識の甘さが招く質問が、会社の評判を一気に起こすことにもなりかねません。多くのネットの声として

セクハラ質問があった会社は「お断りする」のが大多数を占めています。そして、それらは今も毎日のようにネット上を飛び交っているのです。

条件面がどんなによくても、セクハラやパワハラの現実があるのなら、そんな会社は働きたくはない会社なのです。

急な生理で休まれたら…、それは男性の一方的な考えと言われてきました。でも、これは男性にとっても重要な話です。男性だって怪我や病気や急用があって休むこともあります。この件の本質的な不快さとは、会社が従業員をどういう扱いをしているかがわかるからです。

急に休まれたら困る……とする理由だけで、女性のカラダのことを持ち出している。男性女性関係なく、人間としてのカラダを会社は大切に思っていないと言っているようなものです。

結婚しようと、同棲しようと、何が不都合だというのか。

経営者側の一方的な理屈の押し付けは、結果的に「社内のブラック体質(経営側の思想)」を求職者たちに披露しているようなものです。

当然、内定は辞退されますし、あまりにも呆れた質問だったら、ネットに書き込まれます。

最近の若者は権利ばかりを主張しやがるのか?

欲しい人材が辞退するから問題なのではありません。
SNSを通じて会社の悪い評判を書かれるから問題なのでもありません。

ブラック企業やセクハラ面接だと言われない為に、言いたくでも我慢しましょう!なんていうつもりもありません。私は採用のプロの立場として「雇うこと」を採用のゴールにはして欲しくありません。

雇った後こそが重要です。企業にとっては利益が最大化し、採用者にとっても人生に良い結果を得られることが大切だと思います。だからこそ、本質的な部分で、企業は従業員の権利や労働環境を整えて欲しいとも思っています。

これは理想論ではなく、スタンスの話です。ブラック面接やセクハラ面接が生まれてしまう背景には、本質的な企業のスタンスの部分の未熟さが見え隠れします。

時代が変わったから、従業員や求職者が権利を主張し始めたわけではありません。たまたまこの時代だから、ワークライフバランスやら女性の権利やらが出たわけでもありません。

労働人口が減っている今こそ、労働環境を改善するチャンスなのです。今こそ、働くとは何か。企業にとっての労働者とは何なのかを真剣に考える時期なのです。

今こそ始めよう!面接官のトレーニング

社長や幹部クラスの人たちに問題があっても、それを現場が指摘するのは勇気がいります。セクハラとかパワハラとか言いすぎると「わ、私がセクハラだというのか君は!」なんて逆ギレされても面倒です。

そこで、外部講師による面接官トレーニングを実施することをオススメします。面接や採用に携わるメンバーが集まり、面接時に避けるべき質問やその意義、採用のポイントやスタンスについて学ぶ機会を得るのです。

意外にも面接官のトレーニングって受けたことがある人の方が少ないと思っているのですが、皆さんはどうでしょうか。

自社の採用力を高める為ならば、費用もお安いと思います。

ぜひ、検討してみてはいかがでしょう。

 

最後に、セクハラはダメです。これは人権の問題でもあるので、企業はしっかりと学び、理解し、徹底していく必要があります。もし、理解に乏しい人がいるのであれば、社内で人権や権利、社会モラルについて学ぶ勉強会も必要でしょう。

「私の若い時はな〜」なんて語り口で、何も学ばずに持論だけど正当化していこうしてはいけません。私も人権のスペシャリストではありません。だから詳しいことまではわかりませんが、ただ、まずは最初の一歩として人権の意識を持つところからはじめていきませんか。

 

 

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