無料で話題のindeedから地方のWEB求人の「考え方」の基本を探る。

 CMでも話題のindeedという求人掲載メディア。ご存知の方も多いと思います。無料で掲載できると話題ですが、すでに無料で求人掲載ができるハローワークを何年も使っている皆さんにとって(特に地方の中小企業の皆さんにとっての主メディア)は、ハローワークよりも期待が持てる求人メディアなのか。どれほど効果があるのか、気になるところかと思います。

 実は、世の中には、意外にも無料で求人掲載できるメディアがそれなりにあります。地元のご当地メディアを調べてみてください。自治体も地元企業を応援する目的で、無料で求人掲載できるメディアを運営しています。(ただ、効果があるかと言われればよくわかりませんよね。あまり情報も入ってこないと思います。)

 いったい無料のネット求人メディアとはどんなものなのか。有料の求人メディアよりも劣るのか。無料・有料問わず、様々な求人メディアが台頭する時代の中で、全体的には、どこも劇的な効果を感じられていない(つまり採用に成功していない)印象を持つ方は多いと思います。

 私自身がindeedの回し者ではないので、indeedの良さを語るというよりも、こういったインターネットの求人メディアを、どのような「考え方」で利用して、どう効果を最大化していくか、そのあたりを軸にお話ししていきたいと思います。無料、有料問わず、求人メディアの良し悪しをどのように測ることが良いのか。使ってみてダメか良いか、ではなく、どのような使い方をすれば、効果を実感することができるのか。その視点で進めたいと思います。

※indeedの使い方については、普段ネットを利用している方にとっては、触ってみればすぐに理解できます。ブログ感覚ですぐにでも(早ければ5分で)、求人掲載できると思います。ここでは操作方法などには触れずに、考え方のロジックをお伝えします。

 最初の一歩として、無料の求人メディアは、積極的に取り入れて、まずはどんどん無料で掲載してみましょう。インターネットのことは、いまいちよくわからないと思う方であれば、ネットの感度を体感する為にも、チャレンジしてみてください。

 ただ、掲載しただけでは、おそらく望む効果は取れません。そこで「無料だからこんなもんか」「ぜんぜんダメだな」と終わってしまうのではなく、いかにそこから効果につなげていくか。その「考え方」を学んでいきましょう。

掲載件数を調べる

 業界や業種によって、人気度や採用の難易度は異なります。まずは、その求人メディアで、自分たちの業界・業種の求人はどれくらい掲載されているのか調べます。

調べるポイント

・同業他社の件数を調べる。

業種(営業・事務・施工管理・販売など)←職種名

業界(飲食・建築・塾など)←業界を指す言葉

これらのワードで絞って、検索してみてください。その件数が現在採用活動をしている競合の数です。

・エリアで件数を調べる。

市区町村で絞って検索します。その件数が、この町で採用活動する数です。

 実際に求人掲載した時に、自分たちの会社はどれくらいの数の他社と、1人の応募者を争うのか。その感覚をリサーチしてください。また、自分たちの町で、どれくらいの数の求人が掲載されているかを知ることで、この町ではたらくとは、どういうことかを、求職者の目線で考えるキッカケを作りましょう。

 その先の話をしてしまうと、それらの現状から、自社の魅力(自社ブランド力・業種としての人気度・条件面・エリア内での競合優位性)をいかに上げていくかが、採用の改善ポイントとなります。つまり、他社よりも一歩でも二歩でも先をいく「自社のアピール力」を伸ばしていく、伝えていく作業になります。

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応募率1%、採用率0.3%を目指す

 300人にアピールをして1名採用。まずはその感覚で採用活動を行なってみてください。300人に告知して3人の応募者獲得と1名の採用です。これをインターネットの世界に置き換えると「求人閲覧数」300回に対して、「応募数」が1件と考えます。求人閲覧数とは、簡単に言えば、自分たちの会社の求人広告をクリックして閲覧した人の数です。聞きなれない専門用語でPV数とか、クリック率とか、CTとか、いろいろ言い方はありますが、シンプルに「自社の求人広告を読んでくれた人」の数です。そんなに難しく考えなくて大丈夫です。(もし、難しい専門用語を使い、わかりにくい説明ばかりする会社があれば、皆さんを専門用語で丸め込もうとしていると思っても良いです。)

採用率0.3% 応募率1%

300人に告知して1名の採用

300人に告知して3人の応募者の獲得

これを下回る数値であるならば、300名の質を改善するか、もしくは広告を見直す必要があります。

300名の質とは何か。

 例えば、20代の新卒学生を採用したいのに、50代の中高年層300名にアピールしていたらどうでしょう。見当違いの求職者に告知していたのでは、1000名に告知しても20代の応募は得られませんよね。

 求人を掲載しても、なんだか思った人が来ないな…といった場合は、アピール先を間違えている可能性があります。ターゲット層に訴求すること、これが質です。

 indeedに限らず、ネットの求人メディア、また自社の採用ホームページ、さらには紙の求人誌であっても、考え方は共通です。※ただ、紙の求人誌が残念なところは、ネットに比べて数値が取りづらい(あるいはデータ化していない)傾向にあることです。

 応募率1%、採用率0.3%は、業界・業種によって変わってきます。一旦ここで、基準には置きますが、あまりこの数字に引っ張られないでください。一つの指針として最初は参考にされると良いでしょう。これまで私が地方をめぐる中で、50~200名規模の中小企業の指針として、試算した数値です。

 広告を見直すとは、シンプルに言えば、キャッチコピーの見直しです。欲しいターゲット(例えば20代)のハートに刺さる御社の魅力とは何か。広告は0.5秒で勝敗が決まるといいますが、パッと目に留まった瞬間に、メインのキャッチコピーにどんな文言を入れるかで、反応は大きく変わります。私がこれまで改善させていただいた企業での体験を語ると、キャッチコピーひとつで、採用は劇的に変わりました。数ヶ月も1名も採用できなかった企業が、キャッチコピーを変えることで、数週間で採用成功した話は、(私のクライアントさんでは)珍しくありません。

 この2つのポイントは、インターネットっぽくいうと「配信先」と「広告クリエイティブ」と言われる部分です。

有料の広告費をかけるなら予算は?

 indeedに特化した話をします。これも今後大きく変わる話かもしれませんが、indeedでは、無料掲載のほか、有料(お金を投資)で、露出を上げることができます。露出とは、300名の質の改善に直結すると思ってください。例えば、より若い層(20代)に、自社の広告を閲覧してもらうために、広告費を払って、閲覧者をコントロールする、そんなイメージです。

 さて、いったい幾らくらい使えば良いのか。悩むところです。1万円なのか、10万円なのか、50万円なのか。できるだけ費用は抑えたいところですが、いくら安くても、無意味な施策にお金を使ってしまっては、投資にはなりません。ある程度、効果が見込めるくらいの投資額を知りたいところです。

 参考値としてお伝えしますが、indeedの月間広告費は15万円を目安に考えられると良いと思います。15万という数字は、地方企業が初期投資として出してもいいと思うギリギリのラインで考えてみた体感なので、効果を保証するものではありません。ただ、あまりに安い金額では、無駄打ちになってしまうと思います。クリック単価は100円〜150円の範囲に設定してください。

 クリック単価とは御社の求人票を閲覧した数です。シンプルに1クリックを1閲覧数と考えるとわかりやすいと思います。1クリックされるごとに100円〜150円を払うと思ってください。ボリュームが出ずに、予算を使い切れない場合もありますが、単純にクリック単価100円とするならば、月15万円の投資で、月間1500名の求職者に、求人票を閲覧してもらうことになります。応募率1%と仮定すれば、15名の応募者がエントリーすることになりますね。

 しかし、現実には15名の応募者の獲得は難しいでしょう。リアルな応募率は、1%よりも低いかもしれません。応募しても音信不通になる人、面接に来ない人、面接にきても欲しい人材ではなかった場合もあります。露出を増やしつつも、応募率を高める作業が必要となってきます。その最もシンプル且つ効果的な方法が、「広告クリエイティブ力」の質を上げていくことなのです。

キーワードを考える

 インターネットの広告運用には「キーワード」が重要です。特に限られた予算の中で、広告配信をする場合は、よりターゲットに刺さるワードの抽出が必要です。

 例えば、「建築」というワードは、該当する企業はたくさんあります。「建築 新卒」となれば、新卒採用を行なっている企業に絞られます。「建築 新卒 職人」と絞っていくと、職人を目指したい、手に職をつけたいと思っている求職者に絞られそうです。「手に職 施工管理 新卒」こんな絞り方でも良いかもしれません。

 つまり、御社がターゲットとしたい人材の傾向を考えて、キーワードを選定していくことで、限られた広告予算をより効果的に使うことができます。

応募者、採用者の2択の考えを改める

 最近では、「待ち」の採用から「攻め」の採用へ!なんて言葉も聞かれますが、単純に新しい手法や新しいツールを導入したから「攻め」の採用になるわけではありません。考え方のベースを身につけなければ、「攻め」のツールも、どこに何を攻めているのか、いつの間にか見当違いな攻め方をしてしまいます。

 採用を考えるとき、応募者と採用者(内定者)の2つの軸で考えがちですが、もっと細かく考えていきましょう。

広告配信数(応募してほしい(例えば20代)人にどれだけアピールできたか)

御社の求人票を受け取った数

直接会って(面接)話した数

会社説明会に来てくれた数

 300名の応募の質を高めていくには、積極的な応募に繋がるアプローチが必要となってきます。ただ、インターネットに広告を載せて、しばらく待った後に数値として出る、300の「閲覧数」ではなく、現実を考えれば、300名に直接会って採用パンフレットを配るくらいの戦略(行動)が必要となってきます。

 リファラル採用(社員紹介採用)を導入する企業が増えてきましたが、社員全員がリクルーターという意識を持って、300名に自社の求人票を見てもらうには、どんな行動が必要になるか。駅前で求人票を配るのと、学校訪問して配るのでは、ユーザーの世代が違うことはわかると思います。

 学校訪問の際に、ただ「よろしくお願いします」と言って帰るのか、それとも採用パンフレットを独自に制作して、直接渡しながら、話をするか。一つ一つの行動の違いで、効果も劇的に変わってきます。

 もう一歩、踏み込んだ話をすると、そこまでの行動の中で「応募」を待つのではなく、「応募まで行かない」求職者をいかに、自社に招き入れるか。応募の意識はなくても、会社説明会になら来てもらえるか。今じゃなくても、来年、再来年を見据えて、関係性を生むことができるか。

 インターネットを活用した求人広告の配信は、それ自体が大きな効果をもたらすわけではありません。利便性としてインターネットを活用するくらいの認識でいるのが賢明です。

アナログとネットの両方を駆使する

 地方の採用は都市部とは全く異なる過酷さがあります。特に卒業後に都市部に流出する若者の現状を考えれば、1人の新卒学生に対する求人数は10〜20社は珍しくありません。大手企業の参入も著しく、ブランド力や規模感で圧倒されることもあるでしょう。

 しかし、東京や大阪に本社がある大手企業にはない、ご当地企業だからこその強みもあります。

地元高校や大学との強いパイプ

商工会議所やハローワークとの連携

地元での知名度

OB・OGのネットワーク

自治体との連携

 インターネット上で、大量の求人広告を配信し、都市部で一括採用する大手には真似できない、地元独自のアナログ戦略がご当地企業の強みです。たとえ1名でも、地元でつながって、この町でともにはたらく仲間と出会う。このアナログのネットワークは、大手には決して太刀打ちできません。

 インターネット上で、採用を勝ち抜くのではなく、あくまでインターネットの応募フォームは利便性(求職者にとっての便利なツール)と捉えて、300名へのアプローチをコツコツ積み上げていく。それが採用成功につながっていきます。

・・・最後に・・・

ハローワーク採用は本当にコストゼロで採用しているのか

 東京・大阪・名古屋・福岡など大都市圏の採用であれば、効果があるないは別としても、多くの採用会社が参入し、サービスを提供しています。その点で言えば、すでに多くの中小企業がハローワーク以外の求人メディアを利用しています。つまり、広告掲載費や紹介料など、採用に投資をする考えが(それをよしとするか否かは別の話としても)定着しています。しかし、私見も交えていうならば、大手メディアの参入が乏しい地方での採用は、ハローワーク以外の採用サービスを利用した経験が乏しいのではないでしょうか。

 有料の求人メディアも利用したことがない、中小企業が多いのが実情でしょう。それゆえ、採用に費用をかけることに、納得感がないという声も聞かれます。本音を言えば「お金はかけたくない」と思い、無料のindeedに期待を寄せる企業も多いです。

 採用にお金をかけたくない。その言葉だけを取れば、もちろん大都市圏の企業であっても同じ思いかもしれません。ただ、採用にかける「投資」としての感覚は、より都市部の方の理解度が高いように感じます。これから、地方の中小企業として、勝ち抜く事業体であり続けるためには、人材への投資はもちろんのこと、その最初の入り口である、「採用」における投資もまた必要な要素となってくるでしょう。

 考えなければならないのは、長年ハローワークだけで採用していた企業が、本当にコストゼロで採用していたかということです。私は、採用の成功を「入社」に置いていません。真の採用成功は、入社後に定着し、定着した社員が会社にとって価値ある人材へとシフトすることを、一つの採用成功の基準としています。もっと具体的に言えば、入社後90日以内の離職(業種・業界でいえば1年以内の離職)は、会社にとっては、コストと認識するべきかどうか。もちろん、労働に対する対価として支払われるのが給与であるので、一概にコストと言ってしまうのは問題があります。ただ、未経験から社員を育成していく視点において、その育成期間は、会社にとっては投資として考える経営者は多いと思います。例えば、月収20万円で採用し、90日で離職した場合、単純に60万円の投資が失われたと考える経営者は考えると思います。この60万円は採用費ではないので、見えない損失とも言えます。採用における一つの成功は、入社後に戦力化してこそ言えるのです。

 採用費ゼロで採用を行ったとしても、採用のマッチングがうまくいかなければ、見えない部分で経営的コストを生んでしまう。ハローワークよりも有料の求人メディアが良いというわけではありません。有料の求人サービスも同様に、一定期間の定着(採用マッチング)があってこそ、真の採用成功と言えるのではないでしょうか。

 離職に繋がる採用を生まないために、一定の投資を採用で行なっていく。これが、地方が今こそ考えてほしい採用のあり方です。インターネットの有料メディアだけではなく、リファラル採用、採用イベント費、採用パンフレット、採用ホームページ、採用動画の制作など、投資のカタチは様々です。

 今回のお話しさせていただいた、採用の話は、価値ある採用を生むために、採用にどれくらい投資するか。その感覚を考える一歩となれば幸いです。

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