求人広告での「ペルソナ」について書いていこうと思う。

求人広告はラブレターなんて話があります。採用は恋愛に似ています。一方的な恋だけでは叶いません。無理やり金に物を言わせても、やがて離れていきます。運命の出会い…、とまでは言いませんが、それでも相思相愛の相手を探すこと。それが採用の成功への一歩です。

広告やマーケティングの世界で毎日のように語られる「ペルソナ」という手法について今日はダラダラ書いていこうと思います。求人業界でも語られる手法ではありますが、どうも本当のところで実践できている方が少ないように思います。まぁ、私もそこまで徹底的にやるのはあまりありません。ただ、わかっててやらないのと、勘違いしたままやっているのでは、結果が大きく変わります。そんなわけで運命の相手を見つけ出すための究極的基本的考え方「ペルソナ」を学んでいきましょう。

ペルソナ(ターゲット設定)とは何か?

クライアントへの最初の会話で「どんな人が欲しいですか?」と尋ねると「20代の男」とか「とりあえずさ、色に染まってない…真っ白なさ人材だよ!ほら、わかるでしょアンタなら?」なんて答えが返ってきます。

20代の男。真っ白な人。(笑)

さて、これで運命の人(採用)まで辿りつけるでしょうか。例えば悪いですが、キャバクラの指名だってもう少し具体的です。(マジで例え悪かった…かも)

20代の男というイメージはどんなものでしょうか。みなさん想い浮かべる人は違うと思います。20代もみんな同じ価値観を持っているわけではないし、同じ生活スタイルでもない。ましては就職に対する夢も違います。真っ白な人も同じです。「自分の会社の色に染めたい」そういう経営者は大勢いらっしゃいます。だからよく耳にします。でも、真っ白な人材では、採用には成功しません。どんなにその経営者が、己の理念や生き様に自信があったとしても、時代劇の芸者遊びではないのですから「まぁ…もっと、ちこうよりなはれ…」なんていっても、のこのこ染められに、求職者は近づきません。気持ちが悪いだけです。

広告という言葉は時に大金が動きます。だからこそ、広く広~く告知したがるものです。ペルソナも万能ではない。だから、多少の怖さはあります。でも「とりあえず誰でもいいから応募してくれ!」では応募者を募ることはできません。

これまでの雇用者側の一方的な視点を180度ずらして、採用される側の気持ちになって、採用を考えてみる。それがペルソナです。

採用したい人物像を徹底的に探る。年齢・性別・住んでいる場所・どんな趣味で、どんな将来の目標があり、性格的傾向はどうか。価値観や好きな食べ物までをどんどん仮説を立てて導いていく。それがペルソナです。

採用したいターゲットの人物像(ペルソナ)を導くことで、彼らの行動パターンに合ったメディアに広告を掲載し、彼らが気になるキャッチコピーをタイトルにして求人広告を作っていく。どうですか?なんだかグッと運命の人が近づいてきたと思いませんか。

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仮想求職者モデル(ペルソナ)

採用したい人材はどんな人物か。それを考えるのは、まぁなんとなく簡単そうに思います。一回試しに考えてみてください。理想的な彼ら彼女らの姿を書き出してみましょう。理想で構いません。最高の理想像を思い描くのです。

ターゲットの矛盾点を見つける。

本当の理想をとことん描いた先に見えるのは「こんな人どこにいるんだ…」という嘆きです。まるで運命の王子様のような、漫画に出てくる秀才のような、つまりはスーパーマンです。

あれもこれもできる「スーパーマン」みたいな人材を求めても、まぁいいです。ただ、次に考えてもらいたいことは、はたして自分の会社はスーパーマンに選ばれる会社になっていますか?ってことです。スーパーマンが入りたい会社になのか。採用の目的に合わない人材の獲得は、たとえスーパーマンであったとしても、組織のバランスを崩壊や離職に必ず繋がります。本当に欲しい「能力」や「ポジション」を見極め、それに一番適した人材を選ぶことが重要になります。

 

もうひとつ、重要な矛盾点があります。

・フルタイムで責任のある仕事を任せるのにアルバイト採用
・グローバルな視野で働きたいが勤務地限定採用
・地元で長く働きたいのに、転勤の可能性
・主婦大歓迎!!なのに、残業や社内イベントが多数

 

さて、上の4つの条件をみてどう思いますか。多くの企業が採用で失敗している理由のひとつに、ターゲットを外してしまうことがあります。朝から晩まで頑張って働く営業マンが欲しい!と言っても時給制ではおそらく応募はきません。企業の都合ばかりが優先された瞬間に、存在もしない架空の採用ターゲットが作られてしまいます。応募ゼロが頻繁に続いているならば、それはペルソナが間違っているからです。

貴社にとって都合のよいだけの理想の人物像を描くと、必ず矛盾が生じます。
実在する人物かのようなリアリティのある人物像を描くことを目指します。
実在しない人物を設定してしまうと、誰にも届かない広告を作る羽目になります。なぜなら、いない人に向けてアピールし続けるのですから。

架空の人物を採用しようとしないこと。

離職者が多い会社や採用ができない会社は、何も条件が悪いからではありません。条件が悪い会社なんて世の中たくさんあります。もっといえば、条件とは人によっては悪いこともあり、良いこともあります。

昼間に働きたい人ばかりではないし、フルタイムで働きたい人ばかりでもありません。会社としての条件(待遇や時間・場所など)に合う人物は、はたしてどんな生活を送っている人か。それを想像していくこと。それが求人広告におけるペルソナです。

そして最後にもうひとつだけ。もし、まったく想像できなければ、それは想像力が乏しいのではなく、現実に存在しない人物像だから思い浮かばないだけなのです。無理なターゲット設定をしても何の意味もありません。ちゃんと現実にいる人物像にスポットをあてることができれば、特別なことをしなくても応募は来ますし、採用もできます。

そして企業も応募者も双方が笑顔になれると思います。

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