「なぜ当社を志望したのですか」はもう禁止しちゃえば?

会社にとって、本当に欲しいと願う人材を考えてますか?広告やマーケティングの現場で昔からよく使われる手法に「ペルソナ(採用ターゲット)」と呼ばれる考え方があります。

ペルソナの考え方を「採用」に取り入れると驚くほど採用は一変します。ホントにビックリします。それまでモヤモヤしていた採用ターゲットが、くっきりと輪郭のあるリアルな人物に見えてくる。そのことで採用活動に具体性が生まれ、何だかいろいろ上手くいっちゃいます(笑)

ざっくりな説明になってしましたが、もっと具体的にちゃんと言いましょう。感の良い人であれば、ペルソナの驚くべき効果にスグ気づくはずです。ペルソナは様々なことに気づかせてくれます。

 

・求人の募集広告の打ち出し方
・面接の質問内容
・面接官の心構え
・応募者への採用フォロー
・入社後にどんな研修をすればいいか

 

などなど、一つひとつの採用の考え方の視点が変わっていきます。これまでの自社の採用に対する「考え方」や「会社のスタンス」が間違いがあったことに気づくことでしょう。なぜならば「ぜひとも採用したいと望む人材(ペルソナ)」を目の前にして、品定めをするような眼差しで選考をする面接官はいないからです。

 

「選ぶ採用」ではなく「入社して頂く為の採用」にシフトしていくことでしょう。

 

自社の魅力をどうすれば「ペルソナ」にわかってもらえるだろうか。どこにアピールすれば彼らの目に留まり、どういうコピーライトであれば、応募への意欲が湧くだろうか。さらにいえば、ペルソナに入社して貰うには、社内で改善すべきことはないだろうか。今の制度や体制で充分なのだろうか。今すぐにでも改善すべきことがきっとあるはず。

こんな感じのなんだか前向きな採用になっていきます。もしかしたら、現従業員にとっても大きなプラスになるかもしれません。

まさかとは思いますが、あえて威圧感を与えるような圧迫面接はしていませんよね。採用活動は「最高に欲しい人材」に入社して頂くための戦いです。それは同じタイミングで選考をしている同業他社との奪い合いかもしれません。

決して、応募してきた中から、とりあえず一番良さそうな人材を選び出すわけではありません。

これから一緒にパートナーを組むかもしれない、まだ見ぬ未来の従業員と良い出会いを演出するために、採用側のあり方(採用側のスキル)をどう磨けばいいか。そんな考え方を通じて社内が変わり始めます。

この非常に前向きな変革は、会社にとって大きな力となります。採用とは、採用する人物だけに期待するのではありません。採用活動を通じて、現在の従業員たちにも変革が起こることが採用の素晴らしいところです。

もちろん、最終的に選考をするのは雇用側です。決定権は面接官や経営者の判断が100%です。ただ、これまでのような「選ぶ側」の視点だけの選考はもう卒業です。

「なぜ当社を志望したのですか」を聞く必要があるのか

なぜ当社を志望したのですか。

もしかすると、ほとんどの面接会場で、ごく当たり前のように最初に質問されるひと言かもしれません。この質問の意図ってなんでしょうか。

 

・自社の事業内容をきちんと把握しているか
・業界にたくさんある同業他者の中から、なぜ自社を選んだのか
・とりあえず就職したい!なんて気持ちで来てるなら許さぬ!

 

いろいろありそうですが、おおまかにいえば「自社に対する本気度」を探ろうとしていませんか。どれだけ会社のことを調べてきたか。社長の座右の目をきちんと調べてきたか。もしかしたら、同じ業界だったら、他の会社でもいいのではないだろうか。「うちの会社じゃなきゃいけない理由」←こんなことを求職者に語らせようとしていませんか?

 

・求職者から会社に対して熱意を感じられる。
・会社の発展の為にやってやりたい!という気持ちが見える。

 

たった一回の求人広告の内容と、会社のホームページだけで、ものすごい熱意を応募者に求めようとしていませんか?言葉じりを捉えて、変な記事を書こうとは思ってはいません。ただ、偏った考え方を持っていると、志望理由を探ることは大きなリスクに繋がります。

矢継ぎ早に「当社は第一志望ですか?」なんて質問をして「は、はい!もちろん第一志望です」なんて言葉を聞いて満足している面接官がもしいらっしゃたら、全力で心配してください。

真実を申し上げます。求職者は一社だけに応募することなんてまずありません。当然、志望には順位があります。いつだって第一志望であるはずはないし、そんなことはどうでもいいのです。

面接まで足を運んでくれた。つまり「縁」があった。これだけで十分です。せっかく出会えたのだから、求人広告では伝えられなかった「具体的な会社の魅力」を伝えたい。帰るころには当社が第一志望になっていてほしい。そんな思いで面接が進んでいく方が素敵です。

だから僕は新卒採用以外のシーンでも会社説明会は重要だと思っています。

応募者「御社に志望した理由は●●●~です。」

面接官「ほぅ、うちの会社のことをよく調べているなぁ、なかなかだのう~」

 

これではいけません。会社や業界に詳しい人が採用ターゲットではないはずです。おかしな話ですが、面接官のツボを抑えた「なかなかうまいことをいう奴」を採用しても仕方ないのです。目的はペルソナを探し出し採用することです。応募者の中から、導き出したペルソナにもっとも近い人物を選ぶには
はたしてどんな質問をしたらよいか。それが重要なのです。

 

「なぜ当社を志望したのですか」

 

この質問にペルソナならば、なんと回答するだろう。もし想像が難しければ、質問自体をもっと具体的にするのも有効です。

 

面接官「最初の一年間は、先輩のサポート役として仕事を覚えてもらいます。雑用のようなことも多いのですが大丈夫ですか」

応募者「はい。しっかりと仕事の流れを覚えて、一年後には社内で安心して任せられるようなサポート役になりたいと思います」

 

安いモデルケースみたいなセリフ回しになってしまいましたが、もし、新人時代の仕事内容が下積みのような華やかなものではない場合、そうした現実を伝えてみて反応を見る。これも立派な選考です。面接官である部長や課長が喜ぶ回答ではなく、ペルソナならなんと回答するか。現実的な質問をしても受け入れる回答をできるかどうか。その視点が、とても重要です。ペルソナに対する質問内容というのは、個々で変わってくるでしょう。

 

ペルソナの話は長くなってしまうので今日はこの辺で。

大切なのは採用ターゲット(ペルソナ)の気持ちになって採用を行うこと。そして決して圧迫面接にならずに、入社してもらうために何ができるかを考えることです。

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